精神科当直というとどんなイメージがあるでしょうか?
精神科疾患を普段見ない医師にはまったく想像がつきませんよね。
「精神科当直って気になるけどどんな内容か分からないから応募できない。」
「いろんなバイトをやってみたいので精神科当直について知りたい。」
「できるだけ楽なバイトを探したいので精神科当直が気になる。」
こんな悩みのある医師はぜひ参考にしてください。
今回は【ゼロから始める医師生活】というブログやTwitterで医師のポイ活やバイト/転職情報などを発信しているぜろえん(@zeroen_doctor) が、非精神科医の精神科当直バイトの経験を生かして詳しく解説します。今回の記事を読めば、すぐに精神科当直バイトに応募できるようになりますよ。
この記事を読んで精神科当直バイトをしてみたいと思った方はすぐに応募してみましょう。バイト求人を探すには医師専用求人サイトを利用するのがマスト。おすすめのサイトはこちらで紹介しています。
精神科病院の特徴を大きく3つ紹介する
臨床研修で精神科は必修となっていますので精神科がどんなところか想像がつく先生は多いと思いますが、精神科単科病院については少ないかもしれません。
精神科病院といっても、精神科救急を積極的に受け入れる急性期病院から高齢者の認知症などを中心に比較的状態の落ち着いた患者の入院が主な機関まで様々です。
精神科病院がどんなところか想像がつかない方のために共通する特徴を大きく3つ紹介します。
①精神科病院は、立地が悪いことが多い
一般病院に比べて1病院あたりの入院患者が多いことから広いスペースの確保できる駅から離れた場所に立地することが多い。
②病棟に入るのに鍵が必要な閉鎖病棟の管理も担当する
自傷他害の恐れのある患者や、認知症のある患者の管理の面で鍵管理が必要な病棟が一部存在します。
③通常の医療機関より部外者の侵入や入院患者の外出に厳しい
部外者の侵入することにより、詐欺などの犯罪行為が成立してはいけない。
科目不問の精神科当直に必要なもの
科目不問といっても、応募には一定の条件はあります。
それは、有事対応ができること。具体的にいうと・・・
・一般内科が最低限診れる
・救急処置として皮膚縫合ができる
・専門病院での治療が必要な時は転院の判断ができる
現在の臨床研修制度で学んだ医師3年目以降の先生方であれば基本的には問題ないレベルにあるはず。
非指定医の場合は、措置入院や医療保護入院などの許可がないため精神科的な救急対応が求められるケースはありません。
【精神保健指定医】
精神科医療では、本人の意思によらない入院(措置入院)や、一定の行動制限(隔離・拘束)を行う事がある。これらの業務に携わる医師は、患者の人権にも十分に配慮しながら医療を行う必要があり、経験と専門的な知識が必要で厚生労働大臣がその資格を認定します。
【指定医業務】
任意入院者の退院制限、措置入院の判断・医療保護入院、応急入院の許可・隔離、身体拘束の許可、精神科救急における患者の診察などが主な業務。
この他にも精神保健指定医を持っていると精神科当直では重宝されます。
精神科当直の給与相場
ざっくり言うと、寝当直と同じくらいの給与でしょう。業務内容自体が寝当直にわりに近いものが多いです。募集に関しては、定期非常勤の方が数としては多い印象。
私の相場感覚でいうと非精神科医の場合
→都市圏の平日の夜間当直 3.5-4.5万/回・休日の日当直 7-9万/回。
精神保健指定医の場合、平日当直が4-5万/回・休日の日当直8-10万/回と給与は、多忙な内科当直よりは安く設定されていることが多いようです。
飛行機代支給案件で、東北や北海道まで足をのばすと、移動時間分の給与も時給単価で加わる代わりに最低2泊3日以上などの縛りがあることが多いですね。
非精神科医師に精神科当直をおすすめする理由
非精神科の医師に精神科当直がおすすめできるポイントはなんといってもゆとり当直であることが多いから。
もちろん有事対応が発生すれば、忙しいときもあるかもしれません。ただ私の経験から言うと基本的にはゆとり当直であることが多く、バイト中に自分のやりたいことができます。
読書や書類作成や当直室でしっかり寝るなど、家にいてもなかなかできない用事が当直中に進められることは大きな利点でしょう。
逆に当直室にいる時間が上手に使えなかったり、多忙でも拘束時間単価の給与をたくさんとりたいと考える医師にはおすすめしません。
また精神面でのメリットもあります。
普段急性期病院などで多忙な時間を過ごしている先生にとっては常勤の病院と違って穏やかな雰囲気の医療機関が多い傾向にあるので、専門科でいきづまった時の心の逃げ場にもなります。
非精神科医師が精神科当直をするためのおすすめ本を紹介!
精神科当直をするにあたっては研修医終了後のレベルで問題ないとしましたが、そうはいっても当直するときに不安に感じることもあるでしょう。
そんなときに読んでおきたい本が上でリンクを貼っている【こうすればうまくいく! 精神科臨床はじめの一歩】という本です。
精神科専門でなくとも、病態や薬物療法についての基本的な説明がわかりやすく明記されており頭に入ってきやすいです。入門書として優れているので、当直前の予習や当直中のもしもの場合に備えて買っておくとより安心です。
精神科当直バイトに応募する前に確認すべき2つのこと
①バックアップ体制の有無
②当直室の環境
まず確認すべきことは非常勤当直時に常勤の精神保険医指定医の待機医や、精神保健指定医との2人当直の担当がいて相談しやすい環境であるかどうか。
精神保健指定医がおらず一人だけという当直体制も頻度としては多くはないですが、まれにあります。
精神科当直では急変でなくとも常用薬の相談や、指定医以外に指定医業務を相談されることも珍しくありません。バックアップの体制の有無は確認しておいた方が良いでしょう。
他にも当直室が清潔で快適な空間かは確認しておきたい。有事対応以外は当直室で過ごすことが多くなります。当直室の環境は事前に確認しましょう。
精神科当直に関するよくある疑問に答えます!
精神科病院で、患者隔離が必要となりました。精神保健指定医ではないですがどうしたらいいですか?
法律では隔離以外で患者の危険が回避できない場合には非指定医による隔離は可能です。ただし、この場合12時間以内に精神保険医の診察が必要になります。病院規定に遵守することが優先されますので、応募前に確認した方が良いかもしれません。頻度の多い医療機関では精神科医と2人当直にしていたり、常勤の待機医がいるケースがあります。
精神科専門ではありません。精神保健法にも詳しくありません。応募してはいけないでしょうか?
精神保険医指定医指定の案件には応募できません。しかし、科目不問や一般内科の診療が可能なら応募可能な求人は多数あります。一般的には法律を詳細に知っていることは求められないことが多いです。精神科病院勤務の看護師・ソーシャルワーカー・事務員は、法律のことは比較的詳しいので困ったら相談しましょう。
精神科病院では、普段常勤の内科担当医師がいますか?
精神科の単科病院では、内科医は医療機関の規模により常勤だったり非常勤だったりします。状態の悪い患者でも、患者家族に十分な説明がされてなかったり蘇生処置(DNR)希望について確認されていないケースをしばしば経験しました。まず各病棟を回診して状態の悪い患者についての家族説明やDNRの状況について把握することをおすすめします。
精神科的な薬剤の調整を依頼されることはあるのでしょうか?
精神科でない薬の調整を依頼されることは時々あります。例えば便秘改善のお薬など。
閉鎖病棟への回診はどうなるのでしょうか?病棟スタッフが同行してくれるのでしょうか?
閉鎖病棟は鍵を持っているのでナースステーションまでは自分一人。患者診察となるとスタッフが同行してくれます。
精神科当直バイトを探す上でおすすめの求人サイトはこちら
精神科当直バイトは定期非常勤バイトやスポットバイトとして募集されています。
おいしいバイトはすぐになくなってしまうのであらかじめ求人サイトに登録しておき、いい案件があればすぐに応募するようにしましょう。
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スポットバイトは常勤や定期非常勤バイトと比較しても条件のいい案件を狙っている医師が多いので争奪戦になりやすい。そのためすぐに応募できるかどうかが一番重要なポイントとなります。
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まとめ
精神科当直は、一般病院の当直とはやや趣きが異なる世界かもしれません。業務に慣れてしまうとずいぶん楽なので、一度精神科当直を経験してみてはいかがでしょうか?
医療トラブルや医療訴訟への不安は尽きませんよね。
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