専門医試験ってどうなんだろう
循環器内科専門医取りたい
循環器内科専門医試験の勉強どうしたらいいの?
この記事を読むと、上記の悩みや疑問が解決できます。
内科医なら専門科の専門医資格は取りたいですよね。
ただ忙しい病院勤務をしながら勉強しなければなので、効率的な試験対策をしたいところ。
今回は循環器内科専門医試験に合格する上での勉強方法やおすすめの問題集などを実際に受験・合格されているGenjoh先生に詳しく教えてもらいました。
こんにちは。 【ゼロから始める医師生活】というブログやTwitterで医師のポイ活やバイト/転職情報などを発信しているぜろえん(zeroen_doctor) です。
@今回の記事では『循環器内科専門医試験の対策や勉強方法』という点にフォーカスして、循環器内科専門医試験に合格されているGenjoh先生にブログ記事を書いていただきました。
記事を読んで効率的な勉強をして専門医試験合格を目指しましょう!
初めまして、医師12年目の循環器内科Dr.Genjohと申します。
私は2022年度、医師11年目に循環器専門医を取得しました。
本稿では循環器専門医を取得するために必要なエッセンスを皆さんにお届けします。
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循環器内科専門医試験について
最近の循環器専門医試験の合格率は概ね85~92%程度。
合格に必要な得点率は2016年頃までは57~60%でしたが、2017年には72.9%を記録し、その後はおよそ65%程度を推移しています。
日本循環器学会に所属して3年を経過しないと受験できないため、専門医を取得したいなら、早めに学会に所属しましょう。
旧制度であれば3年以上は指定の研修施設で研修しなければならないため、自身が在籍していた施設が対象であるか否かを確認しましょう。
循環器専門医を受験するためには最低3年前から準備を始めておく必要があります。
前提となる基礎資格の取得を含めると6年程前からの準備が必要。
詳細は日本循環器学会のHPを確認すべきですが、総じてAHAが認定するACLSやPALSでないといけません。
BLSやICLS認定では受験資格を満たさない事に注意が必要です。
ACLSは取得後2年で認定が切れるため、資格の更新や再受講を忘れないようにしましょう。
受持入院患者一覧表、診療実績表作成の注意点について
筆記試験を受ける前に30例の受持入院患者一覧表、及び10例の診療実績表を作成する必要があります。
10領域で偏りなく代表的な疾患が含まれている事が望ましいとされますが、実際には偏りが発生します。
特に感染性心内膜炎・肺性心疾患・先天性心疾患は遭遇率が低いので、他の先生が担当しているところを見つけたら併診させてもらってサマリーを書けるようにしておきましょう。
循環器内科である場合には3症例の外科手術所見および考察を要求されますので、良い症例が見つかったら施設を異動する前に作成してしまうか、最低限手術記録は出力して手元に置いておきましょう。
30例の受持入院患者一覧表を作成するに当たって10領域のどれかが完全に欠けた場合は減点されると明記されています。
10例の診療実績表を作成するに当たって10領域の全てを満たすべきか、に関しては明確な記載がありません。
私の場合には先天性心疾患の診療実績表は作成できませんでしたが、問題なく合格しました。
一覧表+実績表の評価は筆記試験の点数に影響を及ぼしませんが、そもそも60点未満になってしまうと筆記試験を受けられなくなるので手を抜かずに作成すべきです。
循環器内科専門医試験の合格を目指す勉強方法
過去問はほぼそのまま出題されることもありますがその数はわずか。
過去問で問われている疾患やhot topicsに関して、過去問で問われていない別のポイントが問われる印象が強いため、周辺知識を固めていきましょう。
Hot topicsとしては近年使用可能になった新しい薬剤や、新しいデバイス(TAVI、MitraClip、WATCHMAN、Impella)などがあげられます。
2021年以降最近になってガイドライン改定が為された領域に関しては、既存のガイドラインからの変更点を出題しやすいので特に重点的に周回すべきです。
新規薬剤の効率的な情報収集には、ケアネット、エムスリー、メドピアなどの医療情報サイトが有用。
製薬会社による新製品紹介の動画・スライドが紹介されています。
ポイントがまとめられており、新薬の概要を短時間で把握できます。
勉強すべきか否か悩む領域として不整脈と先天性心疾患がありますよね。
不整脈は、心内心電図や電気生理学的検査、カテーテルアブレーションに関わる領域まで深堀りするかは悩ましいところです。
結局私が受験した年度では心内心電図は一切出題されず、電気生理学的検査に関してもほぼ触れられませんでした。
しっかり深掘りしたい方は、EPS概論(改訂第2版) を読了しましょう。
先天性心疾患に関しては一部の先生を除いて日常診療であまり触れる機会がなく、得意とされている方は少ないでしょう。
出題数もそれほど多くはありませんので、労力に対しての見返りが釣り合わない領域だと思います。
みなが取れる問題を取りこぼさなければいい試験において、敢えて全力を注ぎこむ必要は乏しいかも。
私は先天性疾患に関してはさらっとガイドラインを通読するに留め、他領域の勉強に注力しました。
試験対策でやっておきたい参考書/問題集など
勉強を開始する時期は2週間程度、1か月程度でも事足りた、という話も聞きましたが、私の場合は2か月前から準備を始めてちょうど完了できました。
もし私がこれから循環器専門医の試験勉強をするなら、以下のように進めます。
①イヤーノートの循環器領域を読む
②循環器疾患最新の治療2024-2025を読む
③日本循環器学会ガイドラインを通読する
④日本循環器学会公表の過去問を5~10年分解く
⑤循環器専門医試験 完全対策問題集で近年の出題傾向から試験問題を徹底予想を解いてガイドラインをおさらいする
⑥時間が許す限りガイドラインを復習する
以下で実際に使った教材の紹介をしていきます。
イヤーノート最新版
おなじみのイヤーノートですが、最新のものを買いましょう。
心音や身体所見など基礎が問われることもありますので、循環器疾患全体のおさらいがてら、Year Note の循環器領域の再読からインプットを始めるのがおすすめ。
New専門医を目指すケース・メソッド・アプローチ 循環器疾患
New専門医を目指すケース・メソッド・アプローチ 循環器疾患 第3版を購入し、一通り読みました。
内容は比較的読みやすかったですが、症例提示から疾患の解説に移るため内容が必ずしも網羅的ではないこと、2018年発売で内容がやや古いことなど欠点もありました。
循環器疾患最新の治療2024-2025
ガイドラインでは対応しきれないtopicsへ対応することもできる網羅的な専門書として、循環器疾患最新の治療2024-2025も良い。
循環器専門医試験は日本循環器学会が行いますので、その内容は当然日本循環器学会が公表しているガイドラインに準拠します。
分量が多いため挫けそうになりますが、問題作成のソースに目を通しておかない訳にはいきませんので、必ず1度は読了しておきましょう。
地の文の内容から出題されることもあるので全て読むことをおすすめしますが、どうしても厳しければ見出し部分だけでも最低限確認しておくべきです。
演習、アウトプットの方法について
日本循環器学会が過去問を20年分程度公表していますが、1年につき5問程度しか公表されておらず分量が足りません。
あまり古い問題は参考にすると時代遅れで危険なので5~10年分程度で十分でしょう。
出版社からの出版物ではありませんが、循環器専門医試験 完全対策問題集:近年の出題傾向から試験問題を徹底予想は最新のガイドラインへの準拠も完璧で、問題の質も良好です。
解説は十分とは言い難いので、問題を解いた後、ガイドラインの対応部分で復習する事をおすすめします。
他にも5chの過去スレッドを参照すれば、自力でも過去問題はある程度再現可能です。
試験本番の準備も忘れずにしておきましょう
試験本番に備えて筆記用具の準備も忘れずにしておきましょう。
仕事ではボールペンばかりですが、試験では使えません。
持ってないという方はAmazonなどで↑のように試験用のセットが売っているのでそちらを購入すればOK。
当日になって会場近くのコンビニで買おうとしたら売り切れていた!というのはありがちです。
前もって用意しておきましょう。
実際に試験を受けてみて
合格率9割、試験時間2時間半の試験に過ぎませんが、プレッシャーは大きいので余裕をもって試験会場に向かいましょう。
試験会場ですぐに問題を解き終わって退席する人も居ますが、焦らずに無視しましょう。
取りこぼさなければ合格できる試験ですので、最後までじっくり答えの確認を行いましょう。
ちなみに、私の得点率は82%でした。
5chで報告された最高得点率が85%、合格ラインが65%でしたので、そこそこ上位に入れていたのではないかと思います。
私の経験則を踏襲できれば65%を割り込むことはそうそうないでしょう。
本稿を参考にして頂いて専門医試験合格に向けてご尽力ください。
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