医師の大学院生の給料や年収はいくら?
入局して大学院に行くか悩んでいる・・・
大学院病院での生活はどんな感じ?
この記事を読むと、上記の悩みや疑問が解決できます。
大学院に進学するかどうか医師なら一度は悩んだことありますよね。
ただ忖度のないリアルな話を聞くことはなかなか難しいことも多いです。
そこで実際に入局して大学院に進学されたhawk先生に良い点・悪い点も含めて、本音を語っていただきました。
こんにちは。 【ゼロから始める医師生活】というブログやTwitterで医師のポイ活やバイト/転職情報などを発信しているぜろえん(zeroen_doctor) です。
@大学院に行こうかどうしようか・・・私も悩んだ経験があります。
実際に大学院生として入局され、キャリアを積まれたhawk先生になかなか聞くことができない裏話(お金や大学院生活のことなど)を含めて記事にしていただきました。
ぜひ参考にしてください!
hawkと申します。
私は地方の国公立大学を卒業後、地元の総合病院で初期研修・後期研修を行いました。
その後、旧帝大の大学病院に大学院生として入局し、大学院卒業後は地域の関連病院に勤務しました。
自分のキャリアをもとに、大学院での業務内容、報酬・給与、学位を取るべきか、といった多くの若手の先生方が気になる点について詳しく書いています。
大学によって状況は異なるとは思いますが、少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
大学院に進学する上で気になるのがお金の事情・・・。
いつでもバイトに応募できるように医師求人サイトには登録しておきましょう。
大学病院/大学院での待遇は過酷だった
まず入局までの流れですが、実家が地元で開業しており継承を考えていましたので、その地域の大学とは繋がりがあった方が良いだろうと考え、多少待遇が悪くてもやむを得ないと思い、入局を決めました。
「これまでと同程度の給与は保証できる」
「中にはもっともらえるようになる人もいるかも」
・・・という話を見学などの際に聞いていました。
しかし、現実にはそこまで安定した収入を得ることは難しかったです。
私が大学病院に入局した際は、職員ではなく、あくまで【大学院生】としての入局でした。
大学や病院の職員としての立場ではなく、あくまで【学生】としての立場しかありませんでした。
そのため大学職員のような福利厚生は一切ありません。
健康保険も加入できないので私の場合は国保に加入しておりましたし、あちこちの病院に外勤で行くので医師自賠責保険も自前で加入、年金は国民年金に加入する状態でした。
給与は『医局で持っている関連病院のバイト代だけ』という考えられないような非常に過酷な待遇でした。
収入は少ないのに働きながら研究もして学費も払ってとは、なかなかツラい状況ですね・・・。
どこの大学でも同じような状態なのでしょうか?
もちろんすべての大学病院がこのような扱いではないでしょう。
私が卒業した地方大学では、大学院生でも医員として大学職員扱いとなり、最低限の福利厚生などは保証してもらえる状況でした。
旧帝大という事でかなり上から目線で、「勉強させてやっている」という態度だったのかもしれません…。
数年前ですが、私が大学院生だったころは医員としての身分がある病院は少なかったと思います。
最近は大学院生の扱いが問題となったため、もしかしたら医員待遇をするところも多少増えたとは思いますが、それでも少数派でしょう。
学生ですが、働きながら当直、病棟、手術も入りますし、主治医にもなります。
ただチーム主治医性だったので、1人がずっと診るわけではありません。
「非正規雇用」の医師という非常にグレーな扱いでした。
大学院生時代の生活について
当時の大学院での生活
大学院1年目の半年が過ぎてから研究が本格的にスタートするため、病棟業務からは解放されました。
外勤などがなければ、朝8時半くらいに出勤し、18-19時くらいまで研究を行い、その後ミーティングなどが入りましたが、19-20時ごろに帰宅が多かったです。
基礎の研究を行っていると、もっと遅い時間まで研究室に籠りきりで研究をしている忙しい同期もいました。
私は基本的にはデータを用いた研究でPCがあればできるので、基礎的な実験よりも比較的負担は少なかった。
学会前や、研究内容を報告するようなミーティング前などは多忙となりますが、それ以外では日中の拘束は比較的緩かったです。
ただ外勤で泊りも多くあるため、当直明けでも容赦なくツラいところでした。
大学からの給与ですが、前述のように基本給はなし。
月1回の当直(2万円くらい)+病棟業務などを行った際には時給1400円を20時間まで支給する(フルで行っても28,000円)、という条件でした。
大学院1年目の最初の半年は、診療科内の細分化された臨床グループにローテーションで配属されるため、普通の総合病院と同じような病棟業務や検査・治療などを行います。
朝から夜まで臨床業務を行い、夜は自己研鑽と称して無休で自分の研究や上の先生の研究の手伝い・・・(自己研鑽なので無給)。
時給はファーストフード以下とびっくりするくらい安い、某歌劇団や広告代理店も真っ青なくらいのブラック企業ぶりでした。
これはツラすぎる・・・。
バイトできない!?大学院生時代の収入、バイト事情
大学院時代の具体的なお金の話をします。
3泊4日~2泊3日程度の泊りがけの外勤が月1回固定であり、月20後半~30万円台の給与がまず得られました。
これが最も大口の収入源でしたが、外勤先によって業務が忙しい病院か、寝当直病院かといった差もあります。
基本的には大学院の上の方が割の良い仕事を行い、忙しく待遇も悪いものを1年目が行う仕組みでした。
そこに大学病院の傘下にある市中病院で固定の外来診療や当直、1泊2日くらいの県内病院の外勤が入ります。
半日や当直業務のみで4-5万、1泊2日だと8-10万前後の業務でした。
年収としては額面で700-900万ほど。
独身大学院生の中には大学関連の外勤以外に、自分で探してきた当直業務などにたくさん入る事で高収入を得ていた方もいました。
オフィシャルのバイト(大学院生みんなで共有するもの)以外に、裏バイト(特定のグループのみで回す良い条件の案件)、自分で探すバイトがありました。
裏バイトは暗黙の了解でしたが、自分で探したバイトは他の業務に絶対支障をきたさない様注意が必要でした(ばれると怒られますので)。
このような厳しい給与体系は大学院卒業の助教などの医局員も同様であり、大学からの薄給+外勤のバイトで何とか生計を立てている先生が大半です。
講師以上になると、講演会や学会などの仕事も安定して入り収入も増えるため、比較的余裕が出てくるようでした。
収入を確保するために自分でバイトを探してくる必要も出てくるんですね・・・。
もしこれからバイトを探すという方がいるなら当ブログでもおすすめサイトを紹介していますので、参考にしてください。
入局・大学院のメリット・デメリット
私が考える入局・大学院のメリット。
- 博士号が取れる
- 同じ診療科・同年代の医師との繋がりができる
- 大学ならではの難病、希少疾患、高度な医療を学べる
- 自身が筆頭著者の論文が書ける(業績を作れる)
- 医局人事で関連病院のポストに付けることがある
一方のデメリットはこちら。
- 給与・待遇が市中病院等よりも圧倒的に悪い
- 医局によっては教授の独裁
- 研究、教育など全く経験のないことをする
- 時間の拘束が長い
- メインで手技をする機会が減ってしまう
- 外勤であちこちに行く
- 大学院卒業後、希望しない関連病院へ派遣されることがある
私個人としては、将来的に臨床医を行うとしても、一定の期間大学院で研究的な視点で物事を考える力を養うことはあって良いと考えています。
臨床技術だけを見てしまうと若干遠回りと思うかもしれませんが、自分の視野を広げる意味では大学で博士号をとることはプラスになります。
もちろん、待遇・報酬がしっかりしていることが最低限の条件。
ブラック企業のような医局は避けるべきですから、事前に何度か見学に行く、大学院生の複数の先生に直接話を聞くなどは行っておくべき。
最近では医師の働き方改革もあって、大学病院での大学院生の不当な働かせ方が社会問題化しているため、徐々に待遇は改善されてきていると思います。
それでも、もし入局を考える際には給与、待遇、福利厚生などをよく確認し、場合によっては社会人入学、国内留学のような形も検討することが必要です。
大学院での生活に関するQ&A
大学院に進学するか悩んでいるという方に向けて、よくある疑問をQ&A方式で書き出しました。
実際にぜろえんも疑問に思ったところなので、みなさんの参考になるでしょう。
大学院1年目半年間以降から卒業までは同じような働き方でしたか?
基本同じです。
ただ上になっていくと条件が少し良い仕事が増えます。
ぶっちゃけ大学院生のときの収入・年収はどれくらいでしたか?
月60万~80万前後、長期休みなどで給与が高い案件が入る、又は当直・外勤案件が重なると、100万を超えることがあったかも・・・くらいのものでした。
税抜き前で平日は毎日大学+外勤が基本入ります。
土日は研究内容次第では出勤はありませんが、バイトが週末に入る事も多いので、月4日くらいの休日のことが多かったです。
私はすでに結婚して小さい子どもがおり、バイトをたくさんできなかったので高収入にはできませんでした。
ブラック企業のような医局を避ける方法はありますか?
事前に何度か見学をする、大学院生の先生に直接話を聞く、卒業生に知り合いがいれば詳しく聞くなどをしましょう。
社会人入学で総合病院に籍を置いたまま、2-3年目などから大学院に来て研究を行い、4年目が終わったら元の病院に戻った先生がいましたが、こちらについてはどう思いますか?
社会人入学でも基本は入局になります。
元の病院に戻る場合(医局員の肩書は残るケースが多い)と、そのまま完全に医局員となり卒業後は医局人事で動く場合がありますね。
一定の期間だけ、と割り切るなら社会人入学はよい手かもしれません。
契約内容によっては、元の病院から基本給が出ることもあるため(元の病院に戻る約束は必須でしょうが)、収入面の不安も軽減されると思います。
デメリットとしては、研究に費やす時間が短い点にあります。
研究テーマになる内容を豊富に持っている医局であればよいですが、そうでない場合研究テーマがなかなか見つからなかったり、基礎研究のような時間がかかる研究ができない、うまく結果が出ないと卒業が伸びたり、頻回に大学に戻ってこなければならないこともあり得ます。
入局して大学院に行ってよかったと思いますか?
今振り返ってみると良い経験も悪い経験もありました。
同じ診療科・同年代での医師の繋がりが、開業医となった今でも非常に重宝しており(紹介や情報収集、研究会を行うなど)、一か所の病院でずっと勤務していたらできない形で知り合いを増やし、社会人としての視野を広げることができたと思います。
しかし、それぞれの専門とする診療科や将来やりたい事、家庭、金銭事情なども考慮すると、すべての人に一律で勧められるものではないですね。
『自分が将来なにをやりたいか、どういった形で働きたいか』ということを明確にしたうえで、学位や大学院・入局などについては考えるべきでしょう。
博士号はメリットありますか?
初期研修・後期研修などをされている年代の先生方ではよく聞く疑問ですが、これはその先生が何をやりたいか、という事で必要性は変わります。
大学病院などで上を目指す(偉くなりたい)、研究をやりたい、という理由を持っている方は、学位はあった方が良いでしょう。
大学では上の役職になるには学位が必要となる場合が多いです。
これは基礎・臨床研究に関する業務や指導が必要になる点からも、やむを得ないことです。
ただ、一部のマイナー科や研究をほとんど行わない教室はその限りではないため、診療科などにもよるかもしれません。
医療トラブルや医療訴訟への不安は尽きませんよね。
万が一、訴訟に巻き込まれたら…
高額な賠償、精神的な負担、時間と労力の浪費…想像を絶する苦難があなたを待ち受けているかもしれません。
医師賠償責任保険は、そんな最悪の事態からあなたを守る最後の砦であり、加入することで得られる安心感は計り知れません。
- 患者さんへの誠意ある対応に集中できる
- 医療トラブルへの不安から解放される
- 大切な家族や未来を守れる
備えあれば憂いなし。
あなたに最適な保険を見つけて、医療トラブル・裁判リスクから身を守りましょう!
\今すぐ加入する/