脳外科専門医試験ってどうなんだろう
脳外科専門医取りたい
脳外科専門医試験の勉強どうしたらいいの?
この記事を読むと、上記の悩みや疑問が解決できます。
専門科の専門医資格はぜひ取りたいですよね。
ただ脳外科専門医試験の勉強量は多く、口頭試問などもあり大変です。
そのため効率的な試験対策をしたいところ。
そこで実際に脳外科専門医試験を受験・合格されているtai先生に脳外科専門医試験に合格する上での勉強方法やおすすめの問題集などを詳しく伝えていただきました。
こんにちは。 【ゼロから始める医師生活】というブログやTwitterで医師のポイ活やバイト/転職情報などを発信しているぜろえん(zeroen_doctor) です。
@今回の記事では『脳外科専門医試験の対策や勉強方法』という点にフォーカスして、脳外科専門医試験に合格されているtai先生に記事を書いていただきました。
記事を読んで効率的な勉強をして専門医試験合格を目指しましょう。
医師10年目のtaiです。
2021年に日本脳神経外科学会専門医試験に合格しております.
おすすめの勉強方法から実際に使った問題集や参考書のおすすめまで紹介しました。
ぜひ参考にしてください。
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脳外科専門医試験の合格率について
2020年以降はコロナ禍の煽りを受け,筆記試験は全国各支部7会場に分散して8月に行われ,口頭試問はその約1ヶ月後に西日本会場の京都・東日本会場の仙台に分かれて行われるようになりました。
過去の脳外科専門医試験の合格率は,他科に比べて低く難しいと言われており,実際筆記試験の合格率が7〜8割程度,口頭試問でさらに削られ,最終的な合格率は6〜7割と言われています。
2020年以降の合格率はやや上がり軟化傾向と言われていますが,2023年の筆記試験合格率は約83%,その後口頭試問で10人に1人が落とされ最終的に約76%という結果でした。
4人に1人は落ちる試験ということになるので決して楽な試験ではありません。
脳外科専門医試験に合格する上でのおすすめの勉強方法やスケジュールの進め方
試験の半年前を目安に対策を始めました。
正式な過去問はありませんが,受験した先生方が再現問題を毎年作成しているので,そのデータを入手し過去5年分を最低2回は解きました。
具体的な勉強方法は,過去問を解いて,その問題に関連する疾患やトピックを深掘りするというありきたりなものですが,やはりこれが最も効果的です。
実臨床で診ている患者さんに関連した疾患を勉強すると定着が早く効率が良いでしょう。
やはり過去問を解くことは合格の近道なので,是非入手したいところです。
過去問は同期や1学年上の知り合いの先生などがいれば手に入りやすいですが,難しければSNSをしている脳外科専攻医の先生にコンタクトをとってみるのも一つの手段かと思います。
私のいた施設は血管障害がメインの病院だったので,この分野の勉強には全く困りませんでした。
ただ脊椎やてんかん,腫瘍病理は全く経験がなく過去問を解いても理解が深まりにくかったため,各学会のセミナーを受講して知識や経験を補いました。
↓に実際に参加したセミナーをまとめました。
・脳腫瘍病理学会教育セミナー
・日本小児神経外科学会教育セミナー
・日本脊髄外科学会教育セミナー
・日本脳神経財団第40回脳神経外科生涯教育研修会
いずれのセミナーでもテキストが配られます。
この本がトピックとしてかなりまとまっているので,試験勉強の最後まで使えて有用でした。
口頭試問について
みなが気になる口頭試問について紹介します。
口頭試問の形式
・血管障害
・脊椎/機能
・腫瘍
各セクション20分の持ち時間で,合計1時間。
どのセクションでも,最初に疾患の画像が提示され,その画像所見や診断名について問われる。
その後実際の治療方針や,治療の際に留意すべきポイントなどについて問われる。
各セクション20分以内で3題をこなすことになります。
ちなみにセクションを受ける順番は,受験生によって異なります。
口頭試問は,普段から検討会のプレゼンテーションの準備を万全にすることが最も大切です。
実臨床で診ない疾患は難しいので,過去の先生達の口頭試問体験記を熟読しました。
現在の試験のスケジュールであれば,口頭試問は筆記試験合格から1ヶ月以上猶予があるので,その間に重点的に対策することも十分可能です。
口頭試問の実例を交えての対策
典型的な前交通動脈瘤破裂のくも膜下出血の治療方針,内頚動脈海綿静脈洞瘻について
特に動脈瘤の治療は方針が複数ありますので答える際に悩むかと思います。
しかし,仮に出題者側が要求する答えでなかったとしても,その後必ず試験官の先生が誘導してくれますので,その誘導に上手く乗ることが非常に重要です。
試験官の誘導に乗らずに,自分の意見を通そうとすると設問が進まずに,20分の時間内に設問を全てこなすことができず,低い採点となってしまいます。
もし正解がわからない場合には,素直に「わかりません」と答えたほうが良いです。
その後必ずヒントを出してくれますし,それでも難しい問題であれば,試験官の先生が教えてくれて次に進む場合もあります。
とにかく時間内に設問を全て消化できることが合格のポイントです!
考えても分からないことで時間を使わずに,設問を進めていくよう意識しましょう。
試験官の先生によっては,かなり圧迫面接気味の印象で萎縮してしまいそうなセクションもありますが,これはおそらく敢えてそうしていると思いますので,物怖じせず答えていきましょう。
優しい先生に当たればラッキーですね。
脳外科専門医試験の試験対策でやっておきたい問題集など
過去問以外にやるべき問題集や参考書を紹介しています。
fig.1 SANS
脳神経外科学会SANS問題集はこちら。
過去10年分を購入することができ,私は全て購入してしまったのですが,多くて直近5年分程度でよかったと思います。
この問題集は,専門医試験の過去問よりも難易度が高く,解いていると容易に心が折れます。
しかし,この問題集の1問1答から全く同じ問題が実際の試験に出ることがあるので,解いておいて損はありません。
過去問やSANSで解いた問題に関連する疾患やトピックをfig2,3で紹介する書籍をつかって深掘りしていき,理解・定着を図っていきます。
fig.2 太田の脳神経外科学
脳神経外科学は過去問やSANSで解いた問題の知識の深堀りに使用しました。
脳外科専門医試験対策では王道の1冊になります。
fig.3 EBMに基づく脳神経疾患の基本治療指針
EBMに基づく脳神経疾患の基本治療指針も過去問やSANSで解いた問題の深掘りに使用しています。
よく使っていたのは,「太田の脳神経外科学」(fig.2)より「EBMに基づく脳神経疾患の基本治療指針」(fig.3)になります。
こちらの方が近年のトピックが疾患ごとにコンパクトにまとまっているので,より使用しやすい。
fig.4 Anki
一度定着しても時間が経って忘れてしまっては元も子もないので,その対策として「Anki」(fig.4)というアプリを使っていました。
これは暗記カード的なもので,自分で問題と答えを作成し,あとは自動的にランダムで問題が表示されるようになり,1問1答形式のものには重宝しました。
脳神経外科専門医試験のための脳腫瘍模擬問題集
脳腫瘍病理については,「脳神経外科専門医試験のための脳腫瘍模擬問題集」も非常に重宝しました。
タイトルの通り,専門医試験のために作成されている数少ない書籍です。
しかし現行のWHO分類とは異なるため取り扱いには若干気をつける必要があります。
試験本番の準備も忘れずにしておきましょう
試験本番に備えて筆記用具の準備も忘れずにしておきましょう。
仕事ではボールペンばかりですが、試験では使えません。
持ってないという方はAmazonなどで↑のように試験用のセットが売っているのでそちらを購入すればOK。
当日になって会場近くのコンビニで買おうとしたら売り切れていた!というのはありがちです。
前もって用意しておきましょう。
実際の試験の感想と試験結果
試験形式はA,B,C,Dの4部構成で,Aが血管障害,Bが外傷,小児,Cが腫瘍,Dが一問一答形式でした。
A問題はとにかく画像が多いため問題を解くのに時間を要しました。
時間ギリギリで全て解き終わりました。
A,B,Cと終わった時点での感触はいいとは言えませんでしたが,周囲の感触も同じだろうと割り切っていました。
最後のD問題で過去問やSANSからそれなりに出ました。
試験は決して簡単ではありませんが,余裕をもって準備・対策を行えば報われます。
書籍での勉強も大切ですが,普段の臨床経験をないがしろにすると痛い目にあいますので,勉強に追われる毎日になってもそこは忘れずに大切にしましょう。
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