医療裁判が怖い
もし訴訟になったらどうしよう…
医師賠償責任保険って必要かな?
この記事を読むと、上記の悩みや疑問が解決できます。
近年、医療訴訟は増加傾向にあり、不安に思っている方も多いでしょう。
そんな時、あなたを守ってくれるのが「医師賠償責任保険」です。
ただ本当に保険に入るべきか悩んでいる方も多いと思うので、その必要性を色々なデータを参考にして紹介します。
記事を読み終えた頃には、医師賠償責任保険への理解が深まり、自分に合った保険選びのヒントが見つかります。
こんにちは。 【ゼロから始める医師生活】というブログやTwitterで医師のポイ活やバイト/転職情報などを発信しているぜろえん(zeroen_doctor) です。
@私は民間医局の医師賠償責任保険に加入しています。
この記事では、医師賠償責任保険の必要性について、医療訴訟の統計データや具体的な賠償額、弁護士事務所の賠償額の目安などを紹介しながら解説します。
さらに、保険の加入率や非常勤先での適用など、意外と知られていない情報も紹介します。
結論をいうと、医療訴訟のリスクから自分自身を守るために、医師賠償責任保険は必要不可欠です。
今後のキャリアを守るためにも、ぜひ最後までご一読ください。
各団体の医師賠償責任保険はこちらの記事で徹底比較し、おすすめを紹介しています。
医師賠償責任保険はそもそも必要か
医師賠償責任保険がそもそも必要かを考えるにあたって
・医療訴訟が実際にどれくらいあるのか
・医療訴訟の賠償額はいくらなのか
という2点がポイントになります。
医療訴訟に巻き込まれたら・・・と考えるとコワいよね。
けど、どれくらい身近なものなのだろう。
医療訴訟で訴えられるリスクはある
日常臨床の中で、医師は医療訴訟を起こされるリスクがあります。
訴えられた場合は、多額の損害賠償金を請求されたり、和解金を支払わなければなりません。
医療訴訟の数は平成16年(2004年)の1,110件をピークに減少傾向ですが、まだ年間600〜900件の医療訴訟が新たに始まっています。
現在では、約20%の訴訟で原告側の主張が認められ賠償金が支払われていますし、半数の訴訟は和解で終結しています。
和解となっても和解金を支払うケースが多く、高額になる可能性があります。
年度 | 新規受理件数 |
平成29年(2017) | 828件 |
平成30年(2018) | 773件 |
平成31年・令和元年(2019) | 805件 |
令和2年(2020) | 739件 |
令和3年(2021) | 750件 |
令和4年(2022) | 647件 |
医師一人が医療訴訟に巻き込まれる割合としては少ないですが、医療訴訟が医師に与える影響を考えると無視できない数字です。
ちなみに診療科目別の既済件数の割合(令和4年)をみると内科、外科、歯科の順番に多くなっていました。
これまでは、病院だけを訴えることが通例だったので、医師個人として賠償金を支払うリスクは低かったです。
しかし近年では、病院経営が破綻しているケースも増えてきたため、医師個人に対しても損害賠償を請求する事例が増えてきました。
そのため、医師個人としても損害賠償を請求されたときの準備をしておく必要があります。
医療訴訟の賠償額の目安
弁護士法人おおたか総合法律事務所のHPに損害賠償の目安について記載されているので引用します。
医療訴訟の賠償の対象になるのは以下の9つでこのうち④⑤⑥が大きな額となります。
①医療費(薬剤費、交通費を含む)
②入院雑費(1日1,500円程度)
③付添看護費(入院付添費1日6,500円、通院付添費1日3,300円程度、場合によっては将来の付添看護費も賠償の対象となる)
④入通院の日数に応じた入通院慰謝料
⑤後遺症が残った場合後遺症等級に応じた後遺傷害慰謝料と逸失利益
⑥死亡した場合死亡慰謝料と逸失利益
⑦休業損害
⑧葬儀費用(実費:100~150万円)
⑨弁護士費用(全請求額の10%)
つまり賠償額が大きくなるのは、患者の年収・医療費・入通院日数・休業日数・死亡や障害の程度が高い場合になります。
もちろん上で計算した請求額がそのまま通るわけではないのであくまで目安。
例えば、「一家の大黒柱である若年男性が医療事故で死亡した」ケースなどは賠償額が高額になることが予想されます。
実際にこれまでの医療訴訟の賠償金の最高額は2022年4月20日に鹿児島地方裁判所で出された3億2,714万4,245円が最高額です。
この訴訟は、当時25歳だった研修医が脳膿瘍を発症し、対処が遅れたため寝たきりになったという内容であり、患者さんが若年であったこと・職業が医師であったことから賠償額が高額になったと予想されます。
このように賠償金は高額になることがあり、普段から保険に入って準備をしておくのがおすすめです。
ただこれまでの医療訴訟で損害賠償が高額になったケースをみると1億を超える金額を請求されていることもあります。
病院だけでなく医師個人を含めて損害請求されていることもあります。
個人にこれだけ大きな額の請求がされると厳しい・・・。
医賠責に入るのは、車を運転する人が自動車保険に入って万が一に備えるのと同じだね。
保険金額は高額のものだと1事故につき最高で2億や3億のプランがあるからフルカバーしておきたいなら、そこを選べばいいな。
高額プランが用意されている団体では民間医局がリーズナブルでおすすめ。
勤め先の病院の保険だけでカバーされないのか?
そもそも論として勤務医に個人での保険加入は必要なのか?と思うかもしれません。
『病院内で起こったことで訴えられても病院が対応すべきことで個人の対応する範疇ではないのでは?』という意見です。
これについては医師個人が訴えられるケースもありますし、保険限度額を超える訴えとなる可能性もあるので基本的には保険に入ってしっかりとミスやトラブルに備えておくべきでしょう。
常勤先だけでなくバイトにも行くのならなおさらです。
X(旧Twitter)で医療訴訟に関するポストをいくつか見かけましたので参考に引用しておきます。
はい。専攻医1年目、2億越えの訴訟を受けましたが、
— ギガデ医ン (@Kazupoyo15) February 7, 2024
医者なら誰もが10-0だろみたいな話なのに勝訴まで7年。
全ての金は病院持ち、裁判も弁護士任せ、だけどオペの合間に打ち合わせ、
根拠となる論文提出、何ヵ月おきかであるんやで。ダルいって。
自分は若手の頃に訴訟起こされたことあるからもう2度と余計なリスクは取らないと思ってる。
— ヒロ@医師ブログ初心者 (@doctor_hhm) February 6, 2024
何もしなくても亡くなりそうな状態で、リスク説明して治療した後亡くなったらその治療のせいにされた。
病院が守ってくれたけど色々調査されて本当に大変だったし、裁判になるだけでメンタル崩壊するよ。
勤務医が行ったことで個人的に訴えられても病院の保険がカバーするべき範囲ではないんですかね?限度額超えたら病院が払うだけのことです。開業医ならまだしも雇われている勤務医で保険まで個人で入れなんてあまりにも理不尽だと思うんですよね。そんな職業他にありますか? https://t.co/6bBkfcQLb5
— おもち (@ricecakemochi) September 28, 2022
医師賠償責任保険の加入率はどれくらい?
医師賠償責任保険は「医療行為によって患者に生じた身体の損害」を対象にしているので、医療行為をしていない先生にはもちろん不要です。
少し古いですがケアネットの記事で医師賠償責任保険の加入率が書かれているので引用します。
医賠責の加入(保険料自己負担のもののみ)の有無について尋ねたところ、全体の73.4%が「加入している」と回答。年代別に見ると、60代以上で51.2%、30代以下80.0%と、若年層ほど加入率が高い結果となった。また所属施設別では20~99床の施設で54.4%、100~499床で71.3%、500床以上で76.2%、大学病院で91.3%と、施設規模に比例して高い加入率を示した。
ケアネットの記事から引用(会員限定サイトです)
全体の73.4%が加入しており、若い方ほど加入率が高い結果でした。
こちらはX(旧Twitter)で行われた医賠責に加入しているかというアンケート。
ワクチン接種バイトが盛況な中、改めて医師賠償責任保険の加入が話題です。
— ぴなくるす *皮膚科専門医* (@doctorconserva) July 5, 2021
そこで研修医以上の先生たちへ質問!
「医師賠償責任保険加入していますか?」
もしよければ、加入している理由、していない理由も教えて下さい😂
Xのアンケートを見ると8割以上の方が保険に加入していますね。
補足しておくと日本医師会のA会員になっている方は心配ありません。
日本医師会のA会員であれば、すでに日本医師会の医師賠償責任保険に加入しています。
私は常勤で働いているし、バイトもどんどん行きたいから医師賠償責任保険は必須だな!
医師賠償責任保険は非常勤先やバイト先であっても適用される
医師賠償責任保険は保険期間中に、医療行為によって患者に生じた身体の損害が賠償の対象になります。
ただし日本国内における業務が対象となるので、海外での業務については対象外。
日本国内であれば勤務先の他にも出張先の病院や診療所などで行った医療行為も対象になるのでバイト先でも問題ありません。(例えば健診や予防接種は対象)
ただ美容専門の分野は除外されます。
普通の勤務医でバイトもしているという先生なら医師賠償責任保険で医療訴訟における損害賠償リスクはカバーできます。
どこで働いていても医師賠償責任保険の対象になるのかな?
日本国内で美容以外の診療科目であればバイトでも大丈夫。(オンライン診療もOK)
美容診療に対する保険は美容医療賠償責任保険が別であるので、そちらを検討しましょう。
ちなみに開業医の医師には例えば民間医局なら別で専用の保険が用意されています。
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選択肢に答えていけば、あなたに合った保険団体が分かります!
一問目:あなたは今研修医ですか?
二問目:あなたの年齢は30歳以下?かつもしものときに免責金額があったとしても年間保険料が少しでも安い方がいい?
三問目:大学同窓会や所属している学会に医師賠償責任保険の取扱いがある?
四問目:大学同窓会や学会経由ではインターネットで簡単に申し込める?
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興味がある方はどうぞ。
まとめ
医療事故や医療訴訟の当事者にならないに越したことはありませんが、なってしまった場合のリスクヘッジはやはりしておくべきでしょう。
各団体の医師賠償責任保険はこちらで徹底比較しています。
【2024年最新版】医師賠償責任保険の徹底比較|選び方からおすすめまで
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