専門医試験ってどうなんだろう
放射線科専門医取りたい
放射線科専門医試験の勉強どうしたらいいの?
この記事を読むと、上記の悩みや疑問が解決できます。
専門科の専門医資格は取っておきたいですよね。
ただ忙しい病院勤務の中、勉強しなければならないので効率的な試験対策をしたいところ。
今回は放射線科専門医試験に合格する上での勉強方法やおすすめの問題集などを実際に受験・合格されているサガルマータ先生に詳しく教えてもらいました。
こんにちは。 【ゼロから始める医師生活】というブログやX(旧Twitter)で医師のポイ活やバイト/転職情報などを発信しているぜろえん(zeroen_doctor) です。
@今回の記事では『放射線科専門医試験の対策や勉強方法』という点にフォーカスして、放射線科専門医試験に合格されているサガルマータ先生にブログ記事を書いていただきました。
記事を読んで効率的な勉強をして専門医試験合格を目指しましょう!
初めまして、医師7年目、放射線科5年目で放射線科専門医のサガルマータと申します。
専門医試験は医師6年目(放射線科4年目)のときに受験し合格しました。
自己採点では得点率84%でした。(60%あればまず合格)
新専門医制度が開始され、専門医取得のために必要な経験や勉強法に大きな変化がでてきています。
私の経験をこれから受験される皆さんにお伝えし、お役に立てるとうれしいです。
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放射線科専門医試験の概要や合格率について
放射線科には大きく分けて3領域があります。
・画像診断
・IVR(インターベンショナル・ラジオロジー)
・放射線治療
これらの範囲から出題されます。
単にこれらの領域の細かい知識を問うものよりは、放射線科医として不可欠な解剖の知識や疾患の一般的特徴、放射線科領域の検査機器に関する設問などが幅広く出題されます。
総問題数は約100問で、合格率は90%程度。
合格のために必要な得点率は60%前後と言われていますが、正確な数字は公表されていません。
試験は選択式で、正答の数が明記されています。
問題文は単文形式のものが多く、医師国家試験に当てはめると、いわゆる臨床問題ではなく一般問題の形式です。
画像をみてどういった疾患か、どのような所見かを答えるような問題は出題されません。
日常診療に従事していれば解けるという問題はかなり少ないです。
放射線物理学や基礎といわれる範囲からの出題もあり、こちらについては一から勉強が必要でした。
試験の傾向を2点伝えておきたい
①画像診断領域の問題が難しい
放射線科専攻医はどの領域を志そうとも、日常診療において画像診断の勉強を避けては通れません。
このため、多くの先生が専門医試験の受験時点で画像診断に関する知識が身についていることかと思います。
しかし、専門医試験に出題される画像診断領域の問題は、解剖や疾患の一般知識が中心になり、IVRや放射線治療の問題と比べ、相対的に難しいと感じる先生が多いと思われます。
②核医学領域が得点源になる
核医学検査で使用する核種の半減期や特徴、詳細な検査方法について問われます。
使用する薬剤や検査法が大きく変化しない領域であり、過去問と似た問題が他の分野よりもかなり多いです。
新たに保険適応となった検査や核種があると出題される可能性が高いため、受験する年のヤマが絞りやすいという特徴もあります。
試験勉強を始めるにあたって、この2点は押さえていてほしい。
12月に開催されるレジデントセミナーをまず受講しよう
まずは勉強を開始する時期ですが、近年、試験の難易度が高くなっていますので早いに越したことはありません。
可能ならば受験する年の1月から、遅くとも4月からは始めましょう。
勉強の取っ掛かりとしておすすめなのは、日本放射線科専門医会(JCR)が毎年12月に行うレジデントセミナーを受講することです。
日本放射線科専門医会(JCR)のレジデントセミナーを受講しよう!
こちらは放射線科専門医の出題範囲に準拠し、各領域を専門の先生が網羅的に講義してくれます。
ライブ配信に加え、オンデマンド配信を行っており、こちらは専門医試験直前まで観ることができます。
私は張り切って12月にこれをライブ配信で受講したのですが、3日間に渡りそれぞれ9時から18時くらいまであるため、全部は受講できませんでした。
年明けから無理なくオンデマンド配信で観るのをおすすめします。
こちらの講義はテキストをデジタルデータで配布してくれますので、冊子にし、こまめに振り返れるようにしていました。
セミナーの参加費はJCR準会員が30,000円、非会員が50,000円と高いですが、得られる情報量、講義の密度には見合っています。
過去問を進めよう
レジデントセミナーの受講が一通り終わり、4月ごろからは過去問に取り掛かりました。
放射線科専門医試験の過去問は日本医学放射線学会の会員であれば学会のホームページでみられる(現時点で17回分)ようになっていますのでそちらを活用してください。
直近1年分は直前に取り組む、と決めていましたのでその前の年のものから順に遡って解いていきました。
各分野に満遍なく触れることを意識していましたが、核医学はひたすら暗記していく必要があります。
過去問10年分から核医学の問題を抜粋し、何週も解き、周辺知識の確認を行いました。
幸い同期が数名いましたので、たまに同期と勉強会を行い、それぞれの進度、理解度を共有し、わからなかった問題を検討していました。
各領域の専門医の先生にわからない問題を聞くこともおすすめします。
放射線科専門医試験の試験対策でやっておきたい問題集などを個別に紹介してください
放射線科専門医の試験対策は基本的に過去問を何年分解くか、ということに尽きます。
専用の問題集が販売されているという話やそれを購入し使ったという方を見聞きしたことはありません。
ここでは、過去問に基づく勉強の中で使用した書籍やサイトを紹介します。
わかりやすい核医学 第2版
こちらは核医学の教科書。
前半に核医学の基礎的な内容、後半には各検査毎に用いる核種やその特性、検査の詳細な手順、画像の読影方法などが纏められています。
診断分野だけではなく、放射線治療の内用療法についてもしっかりと記載されており、非常に専門医試験の勉強に役立ちます。
わかりやすい核医学は日常診療にも大変役立ちます。
この先数年以内にはまず大きく変わらない内容になるのでぜひとも購入をおすすめします。
やさしくわかる放射線治療学
こちらは放射線治療の入門書です。
日本放射線腫瘍学会(JASTRO)が監修しており、非常に信頼性が高い教科書。
対象は医学生、研修医、診療放射線技師、看護師などとされていますが、専攻医が放射線治療を知るための第一歩としても非常に役立ちます。
専攻医時代、放射線治療の研修時にはこのやさしくわかる放射線治療学を読むことから始めました。
放射線治療計画ガイドライン
他に放射線治療に関するおすすめの書籍として放射線治療計画ガイドラインがありますが、こちらはややハードルが高く、初学者には向きません。
まずやさしくわかる放射線治療学を通読し、過去問に取り掛かりましょう。
分からないところが出てくれば放射線治療計画ガイドラインで調べる、という手法をおすすめします。
【非公式】放射線科専門医・診断専門医試験 解答例
こちらはインターネットサイトになります。
詳細はわからないのですが、おそらくその年受験した先生が数名集まって解答を検討し、掲載しているものだと思います。
学会からは専門医試験の解答が公表されていないため、こちらのサイトをつかって確認しました。
ところどころ間違っている解答もあるため、自己責任でご利用ください。
新規薬剤に関する出題について
近年、放射線科の領域でもっとも新しい薬剤としては神経内分泌腫瘍に対する内用療法の薬剤であるルテチウムオキソドトレオチドが例として挙げられます。
こちらは薬剤の特徴や治療に関連するような直接的な問題が出題されたわけではありませんが、少し関連した問題が出ていました。
今後もこのような新規薬剤に関する問題が出る可能性はあります。
実際の試験の感想と試験結果
本番では時間はとても余ったので、解答を3回見直し、30分を残して途中退室しました。
試験には無事合格し、自己採点では得点率が84%でした。
例年60%あればまず確実に合格と言われていますので結果が発表されるまで特に不安なことはありませんでした。
過去問を数年分解くと実感するのですが、序盤に出題される画像診断領域の問題が非常に難しい。
試験開始直後から難しい問題に時間と精神力を割く必要はないと考え、まずは後半の核医学領域から解くことを試験前に決めていました。
この手法は非常に良かったと思います。
核医学領域はほとんど過去問の焼き直しであり、暗記科目になるため、解ける問題はすぐに解き終わりますし、自分が解けない問題は他の多くの受験生もわかりません。
結果として、核医学領域を一通り解き終わり、冷静な頭で画像診断領域に取り掛かれました。
しかし、今問題を見直してもやはり画像診断領域はかなり高難易度ですし、実際の正答率も低かったです。
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