転科するか悩んでいる・・・
実際に転科した人の話を聞きたい
転科ってどんな感じなのかな?
転科して失敗しない?
転科する方法は?
この記事を読むと、上記の悩みや疑問が解決できます。
自分の選んだ専門科が本当に良かったのかと悩むことありますよね。
選んだ道を信じて頑張ることも大切ですが、合っていないと感じているなら『転科』するのも選択肢の一つです。
ただ『転科』って実際どうなのでしょうか、失敗しないか不安になりますよね。
そこで実際に転科を2回経験しているパパドクター先生に転科事情や転科にまつわるリアルな体験談を伝えていただきます。
こんにちは。 【ゼロから始める医師生活】というブログやTwitterで医師のポイ活やバイト/転職情報などを発信しているぜろえん(zeroen_doctor) です。
@今回の記事では『転科ってどうなの?』という点にフォーカスして、実際に転科を2回経験している医師に記事を書いていただきました。
パパドクター先生には他では聞けない具体的な内容(転科して待遇がどうなったか、転科のスケジュールなど)の情報提供していただきましたので、特に転科するか悩んでいる方の参考になるでしょう。
はじめまして、医師11年目の『パパドクター』です。
私の経歴を簡単に説明します。
・3次救急の市中病院で初期研修 2年
・大学病院消化器内科後期研修 3年
・2次救急の市中病院総合診療科 5年
・在宅診療クリニックに転科し、現在に至る
このように【消化器内科→総合診療科→在宅診療科】と2回転科をしています。
私の転科を2回した経験が『転科を悩んでいる』医師の役に立てると思います。
記事を読んで、転科しようかと考えている方に向けて↓の記事でおすすめの医師求人サイトを紹介しています。
転科してどうなったか詳しく紹介します
これまで大学病院や市中病院から転科し、職場も変わっています。
そのときの具体的な状況を紹介します。
①大学病院消化器内科(後期研修医)のときの状況
大学病院時代はこんな生活でした。
・当直:月8~13日で金額は3~8万ほど
・帰宅時間:20~23時くらい
・夜間緊急の呼び出しが多い
・分院、関連病院への異動が多い(もちろん引っ越し代、住宅補助はなし)
・大学からの給与は少ない
・当直が多い本院で年収1,200万くらい
当直回数多い・・・。
忙しいのに安い当直も義務としてかせられていました。
夕方以降のカンファレンスが多く帰りが遅いうえに、 内視鏡当番、主治医としての呼び出しも頻回ですね・・・。
年収については当直が少ない分院だと年収900万円くらいでした。
医局あるあるですが、給与は少なく当直バイトで睡眠時間を削ってお金に変える生活ですね・・・
大学病院勤務時代に子どもが生まれましたが、家族と過ごせる時間はわずかであまり育児はできず。
妻はワンオペ育児で疲弊してしまい、夫婦仲も良くありませんでした。
子どもの成長を間近で見ることもできず、何のために働いているのか分からなくなりました。
子どもが2歳になった頃に妻とよく話し合った結果、家族と過ごす時間をつくるために医局を辞めました。
子育てのサポートを得るために妻の実家に近い市中病院へ移りました。
家族と過ごす時間をつくるために医局を辞め、市中病院へ移りました。
消化器内科では希望する条件に合う病院が見つからなかったので、思い切って転科しました。
後期研修で辞めているので、私は消化器病専門医や内視鏡専門医をもっていません。
ただ専門医資格がなく転科後に困った経験はありません。
「消化器内科」がない病院でしたが、消化器外科が運営する内視鏡室があったため、内視鏡を続けることはできました。
②市中病院総合診療科のときの状況
家族との時間をつくることが総合診療科への転科の主な目的でしたが、見事達成することができました。
市中病院総合診療科は↓のような条件でした。
・当直:月2~3日で5~8万ほど
・定時帰宅
・夜間呼び出しは年1〜2回(内視鏡の呼び出しなし)
・病院の異動はなし
・年収1,500万、最終的に1,700万
・病院勤務は週4.5日、1日は知り合いのクリニックでバイト。
当直回数は減ったし、入院ボーナスがあったから1日10万を超える日もあった。
定時帰宅できるので夕食、入浴ともに家族と過ごせるようになりました。
医師としての年数で自動的に給与が決まっていたので年収1700万まで上がって、金銭的にもQOL的にも大成功ですね。
もともと総合診療的な考え方・臨床診断学・感染症などの分野は好きだったので、転科後も楽しく学ぶことができました。
胸腔ドレーン留置、腰椎穿刺など初期研修時代以来の処置もありましたが、元専門医や医長の指導を受け、あらためて手技を習得しました。
医師国家試験の頃から内分泌疾患や膠原病などの領域は苦手意識がありましたが、他の医師に相談しながら実地で学びました。
勤めていた病院は気に入っていました。
ただ長男が小学校に上がるタイミングで、中学受験や塾のことを考えて東京23区内へ引っ越したのですが、引っ越し先から通勤するのが困難だったので、きっぱりと病院を辞めました。
次は在宅診療科に挑戦します。
③在宅診療科の状況
引っ越し先近くの病院で総合診療科や消化器内科に勤めることも考えましたが、病院とは異なる環境で医療をしてみたいという気持ちもあり、在宅診療へ挑戦しました。
在宅診療ではこのような条件です。
・週1日コール当番
・定時帰宅
・週4日勤務
・勤務時間は9~18時
・年収1,700万
在宅診療は一般的な病院勤務医より給与の相場がよいです。
私は週4日勤務ですが、元の病院(週4.5日)と同じく給与は1,700万。
在宅未経験のため低めの給与で開始しており、来年は+100〜200万円程度を予定しています。
週1日コール当番はあるものの、病院での当直と違い夜も自宅で家族と過ごすことができます。
在宅という病院と異なる環境のため、リスクもあるなと思いましたし戸惑いもありました。
ただ診察する患者さんの年齢、疾患の幅が広い総合診療科での経験を在宅診療に活かすことができました。
今後在宅診療のニーズがますます増えてくるので、『開業する場合は在宅診療クリニック』という考えもあります。
医者だって色んな生き方ができるんだよね。
自分の人生なんだからどうやって働いていくかよく考えよう。
転科・転職をしたときのスケジュールはこう
在宅診療科に転科したのが、2022年のことで最近になりますのでどういう流れだったかを紹介します。
具体的には2022年4月から小学1年生になる子どもの予定にあわせての転科・転職を決めました。
ここに向けてスケジュールの調整をしました。
2021年秋頃に転職サイトに登録し、転職エージェントに相談をした
↓
2021年10~12月頃に3病院と面談を行った
↓
内定が決まりそうな段階で、退職する病院の上司に、退職・引っ越しすることを伝えた
↓
2021年12月に内定した
余裕をもって転職活動をするのが大事だね。
バタバタしたスケジュールになると精神的にもしんどくなります。
転科するメリットは3つある
転科して良かった点は3つあげられます。
- 新しい分野を新鮮な気持ちで学べる
- 前の診療科の経験を活かすことができる
- 転科のタイミングでQOLを見直せる
実際に転科した人の意見だから参考になりますね。
①新しい分野を新鮮な気持ちで学べる
自分の知らない分野に挑戦することは勇気がいります。
新たな分野ではまた1から学ばなければなりませんが、新しいことを学ぶのはとても楽しいことです。
1つの診療科を深めていくことも大切ですが、思い切って新しい診療科に挑戦することはとても意義のあることでしょう。
新しい挑戦を楽しみましょう!
②前の診療科の経験を活かすことができる
消化器内科から総合診療科に転科した後も、上下部内視鏡検査、内視鏡的止血術、ポリープ切除術などの処置を続けました。
消化器内科で培った内視鏡のスキルは私の武器となり、総合診療科で活かすことができました。
総合診療では特に高齢者に多い誤嚥性肺炎や尿路感染症、心不全、真菌症や褥瘡、骨粗鬆症などへの対応や終末期の緩和ケアを学んだので、在宅診療でもスムーズに診療を行うことができています。
消化器内科医が内視鏡ができるのは当然ですが、『内視鏡ができる総合診療科医』は当然ではありませんね。(レアでもありませんが)
その病院で内視鏡ができる総合診療科医は私しかいませんでしたので、頼られる場面もよくありました。
総合診療科では年齢、性別、臓器を問わずに診療をしていたので、在宅診療でもスムーズに仕事ができています。
③転科のタイミングでQOLを見直せる
転科のタイミングで、給与、労働時間、当直の頻度などの待遇を見直すことができます。
自分が人生でしたいことは何か、仕事と家庭のバランスなど、立ち止まって考える良い機会になります。
自分のライフステージに合わせて2回転科しました。
転科するときに病院を変わることになるなら、そのタイミングで働き方を大きく変えることができるよね。
転科するデメリットやリスクは3つある
もちろん転科していいことばかりではありません。
転科して悪かった点を3つ紹介します。
- 働きはじめはパフォーマンスが落ちる
- 転科をすることで失うスキルがある
- 大学で活躍する同期がちょっと羨ましい
もちろん良いことばっかりがあるわけではないよね。
転科するかはメリット・デメリットをよく考えて決断しよう。
①働きはじめはパフォーマンスが落ちる
病院が変わるだけでも、新しい環境に慣れるのに時間がかかります。
さらに転科した場合では、これまで他科にお願いしていたような疾患、処置、処方を行う必要があるためかなり勉強が必要です。
新しい職場、診療科に慣れるまでは、以前のようなパフォーマンスができずに歯がゆい気持ちになることもあります。
転科したてのときはあまり仕事ができなくて歯がゆい・・・。
でも自らの努力と時間が解決する問題であり、必ず克服できますね。
②転科をすることで失うスキルがある
私は消化器内科で内視鏡を学びましたが、在宅診療科に所属する現在ではバイトで上部消化管内視鏡検査を行っているだけです。
それ以外の内視鏡的処置はしていないため、これまで身につけたスキルは今後失ってしまうでしょう。
しかし、失うスキルはある一方で、在宅診療科医として新しい知識、臨床力、マネジメント力を鍛えており、自分は新しいスキルを身に着けている最中なのだとポジティブに捉えています。
習得した技術も転科すれば失われるだろうね・・・。
その代わり新しいスキルを身に着けられる。
③大学で活躍する同期がちょっと羨ましい
私は家族と過ごす時間をつくるために医局をやめました。
その目的は達成しており、結果には満足しています。
しかし、もし自分が大学に残り、最新の手技や研究に没頭していたらと考えることもあります。
同窓会誌で同期や後輩の活躍を聞くと、嬉しい気持ちとともに少しだけ悔しさや羨ましい気持ちがあります。
もし大学に残って、最新の手技や研究に没頭していたら・・・王道のキャリアを進めていただろうか・・・・。
転科するか悩んでいる方の参考になれば幸いです。
メリット/デメリットありますが、よく考えて悔いのないようにしてください。
医師の転科にまつわる疑問をQ&A形式で答えます
転科しようか悩んでいるけど勇気が出ないという方に向けて、仕事前に持つ疑問に対してQ&A方式で書き出していきます。
転科前の専門科の経験が活かせたということでしたが、転科するなら専門医などを取得してからのほうが良いですか?
専門医取得は必須ではないと思います。
専門医取得が必要かどうかはキャリアプランによりますが、そもそも専門医資格が転科後に活用できるかどうかは未知数です。
一方、『専門的行為、知識』は転科後に活かすことは十分可能。
実際、私は消化器病専門医や内視鏡専門医をもっていませんが、専門医資格がなく転科後に困った経験はありません。
内視鏡スキル、消化器内科医としての知識は存分に発揮でき、自分の専門性があることで転科先に貢献できました。
転職活動をする場合のおすすめのスケジュールはありますか?(いつ頃から動くのがよいか)
退職の6ヵ月前くらいからすることをおすすめします。
転職活動をする場合は、退職の1年前だと、まだまだ募集案件が十分に出そろっていません。
退職の3ヵ月前だと、なかなか内定が決まらないと焦りがでてきますし、患者の引継ぎのことで退職先に迷惑をかけるリスクがあります。最悪の場合、退職するかしないかで病院ともめるリスクもあります。
退職の6ヵ月前くらいであれば、ある程度募集案件は出そろっていますし、焦らずに選ぶことができます。
退職先に対しても、余裕をもって引継ぎや退職の説明ができます。
転科をする上でのコツや注意点はありますか?
新しい診療科、環境ではピカピカの1年生です。
分からないことは分からないと認めて、積極的に新しい知識を学び、謙虚に人から教えてもらうことが大切です。
これまでの自分のやり方に固執するのではなく、新しい考え方、やり方を積極的に取り入れましょう。
「前はこうだった」「いつもこうしていた」など、過去の経験に引っ張られ過ぎてはいけません。
転職サイトを活用したとのことですが、おすすめのサイトはありますか?
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・レスポンスが遅い
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