神経内科専門医試験って難しい?
神経内科専門医取りたい。
神経内科専門医試験の勉強どうしたらいいの?
この記事を読むと、上記の悩みや疑問が解決できます。
内科医なら専門科の専門医資格は取りたいですよね。
ただ忙しい病院勤務をしながら勉強しなければなので、効率的な試験対策をしたいところ。
そこで実際に神経内科専門医試験を受験・合格されているよっしー先生に神経内科専門医試験に合格する上での勉強方法やおすすめの問題集などを当ブログで詳しく伝えていただきました。
こんにちは。 【ゼロから始める医師生活】というブログやTwitterで医師のポイ活やバイト/転職情報などを発信しているぜろえん(zeroen_doctor) です。
@今回の記事では『神経内科専門医試験の対策や勉強方法』という点にフォーカスして、神経内科専門医試験に合格されているよっしー先生にブログ記事を書いていただきました。
記事を読んで効率的な勉強をして専門医試験合格を目指しましょう。
今は神経内科8年目のよっしーです。
2019年度の神経内科専門医試験に神経内科5年目のとき受験して合格しました。
神経内科専門医試験までの勉強のスケジュールや実際に使った問題集や参考書のおすすめなどを紹介しました。
面接で実際に聞かれたこともすべて記載しています。
ぜひ参考にしてください。
専門医試験対策は暇なバイトの隙間時間にするのがおすすめ。
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神経内科専門医試験の合格率は80%程度
受験資格は↓の4点が求められます。
- 初期研修を含む臨床研修期間が6年以上
- 日本神経学会の正会員歴が3年以上
- 日本内科学会内科専門医であること
- 学会が認定する教育施設・准教育施設・教育関連施設で一定期間の研修を受けている(教育施設3年以上が基本)
出願時に疾患カテゴリーから10群に属する疾患について各1症例、計10症例の要約を提出し、査読に合格すると試験資格を得ます。
第一次試験(筆記)では、必修問題100題、一般・症例問題100題(客観式)が出題されます。
第一次試験の合格者は第二次試験(診察実技確認が主体のパートA、出願時に提出した経験症例に関する試問を受けるパートBの二部構成)に進みます。
第二次試験の合否は、試験終了後2週間以内に速達親展郵便で通知される。
神経内科専門医試験の合格率は80%程度です。
第一次試験の得点率は、必修問題80%、一般問題60%、臨床問題70%程度であり、例年大きな変動はありません。
例年、第一次試験が10月、第二次試験が11月にそれぞれ都内の1会場で実施されます。
現在、COVID-19パンデミックの影響で第一次試験が2月に東京と京都の2会場で実施され、第二次試験はWeb試験となるなど変則的な形をとっていますが、近いうちに元の形態に戻るでしょう。
8割が受かる試験とはいえ、2割は不合格となりますし、難しいです。
しっかり対策をして臨みましょう。
神経内科専門医試験に合格するおすすめの勉強方法やスケジュール
合格率80%の試験とはいえ出題範囲は幅広く、一朝一夕の勉強ではとても対応できません。
できるだけ早期に、遅くとも受験1年前には対策を開始しましょう。
- 過去問の入手、現状とのギャップの確認
- 近年の『日本神経学会専門医試験の総括』を確認
- 専門医育成セミナーの受講
- 問題集、過去問を解きながら教科書で知識の確認
- 疾患ガイドライン変更点の確認、新規治療薬の情報取得
↑の順に進めていくと効率の良い対策ができます。
過去問の入手、現状とのギャップの確認
まず、早めに過去問を手に入れましょう。
近年の頻出分野把握のため、少なくとも5年分は欲しい。
一通り問題を眺めてみて、どのくらい勉強すれば合格するか、およその見当をつけることが大事です。
市販の『神経内科専門医試験問題』(下で詳しく紹介)ももちろんやりますが、それだけでは全然足りません。
大学病院で研修している人なら、先輩医師からすぐに過去問データをもらえます。
大学病院のレジデント間で分担して毎年再現問題を作成しているので、受験前年の出題情報も回ってきます。
市中病院で研修中の人も、大学病院で研修している知り合いや最近受験した人を探して何とか手に入れるようにしてください。
近年の『日本神経学会専門医試験の総括』を確認
毎年、学会のホームページ上で『日本神経学会専門医試験の総括』として講評が公開されます。
受験生が苦手とする正答率が低い分野の出題は今後も続くので、早めに苦手を克服するように対策しておきたい。
日本神経学会専門医試験の総括は過去3年分程度は確認しましょう。
専門医育成セミナーの受講
例年、5月の日本神経学会学術大会初日に専門医育成セミナーが開催されます。
独学で勉強しにくい末梢神経・筋の病理や画像診断、 神経診察法、高次脳機能評価方法に関するレクチャーを行っています。
高次脳機能評価は普段はやっていない人が多いと思いますが、試験では求められることがあり受講しておくと慌てずにすみます。
専門医試験に出そうなところを短時間で的を絞って身につけることができます。
学会のホームページにe-ラーニングとして過去のセミナーの動画がアップロードされています。
自分が受験する年のセミナーで取り扱われなかった内容にも触れることができますので、ぜひ活用しましょう。
専門医育成セミナーは受験する年に参加するのは当然ですが、できれば受験前年のセミナーから参加しておきましょう。
試験で腱反射をとる時、2回連続で叩かないなど、診察上のポイントを教えてもらえます。
特に市中病院で研修している人で上級医から神経診察のしかたをきちんと教わったことがなければ、ぜひ受講しておきたい。
私は2回参加しましたが、試験前に受講しておいてよかったと思いました。
問題集、過去問を解きながら教科書で知識の確認
『神経内科専門医試験問題 解答と解説』を早めに購入し、問題を解き始めましょう。
丁寧な解説もついています。
問題集をある程度片づけたら、次は過去問に取り組みましょう。
歴代の受験生が作成した解答・解説がついているかもしれませんが、鵜呑みにしてはいけません。
間違っていることも少なくないので、ここは面倒でも教科書で確認するようにしましょう。
『神経内科専門医試験問題 解答と解説』は受験1か月前までに4周し、間違いやすい問題のみ直前にも解き直しました。
まず教科書を一通り読んでから問題集をやるというスタイルの人もいるかもしれません。しかし、教科書を読み終えたところで頭にはほとんど残っておらず時間の無駄です。
問題を解きながら、知識が疎かになっている分野を教科書に戻って確認しましょう。
その方が、限られた勉強時間を効率よく使えます。
疾患ガイドライン変更点の確認、新規治療薬の情報取得
第一次試験の一般問題では、改訂されて間もない診断基準、新規治療薬、新規に同定された遺伝子変異などが出題されるため、必修・症例問題に比べて正答率は下がります。
2023年現在、ALSのガイドライン改訂が進行中であり、片頭痛、多発性硬化症、視神経脊髄炎、重症筋無力症といった主要な神経内科疾患で新規治療薬が次々に保険適応となるなど、大きな動きがみられ、今後の出題が予想されます。
こういった情報の効率的な収集には、ケアネット、エムスリー、メドピアなどの医療情報サイトが有用です
第二次試験にもつながる内容ですので、試験対策の最後にやれば十分です。
ケアネット、エムスリー、メドピアでは製薬会社による新製品紹介の動画・スライドが紹介されています。
ポイントがまとめられており、新薬の概要を短時間で知ることができます。
第二次試験の面接対策
第二次試験では、面接官2名による口頭試問が行われます。
パートA・Bでともに1人は大学教授、もう1人は市中病院の診療部長という組合せが多いです。
特に大学病院で研修をしていた人は脳卒中診療にあまり携わっていないかもしれませんが、脳卒中診療にも重点をおいた対策が必要です。
対策としてやっておきたいことは2点。
・神経診察に習熟しておく
・診断・治療に関する最新のエビデンスを確認しておく
パートA,Bで時間はそれぞれ20分になります。
神経診察に習熟しておく
日本神経学会のホームページには神経診察や不随意運動のみかたに関する動画が掲載されていますので、試験前に最低限確認しておきましょう。
パートAでは、腱反射はまず見られます。
菱形筋、広背筋、棘上筋、棘下筋などルーティンの診察ではとらないMMTをとらされたり、下垂手の診察時のポイント、橈骨神経の支配筋を問われたり、不随意運動の真似をさせられたりと細かいところまで確認されます。
脳卒中分野ではNIHSSを一通りとらされますので、各診察の意味と注意点をよく理解して覚えておく必要があります。
盲点となるのが、眼底鏡の診察。
触ったことがないという人もいると思いますが、試験で求められることがありますので、練習しておくと万全です。
診断・治療に関する最新のエビデンスを確認しておく
パートBでは、提出した症例サマリーをもとに質問を受けます。
各種神経疾患で使用される分子標的薬と使用時の注意点など、自分が使用したことの薬剤に関しても最新の知識をおさえます。
脳卒中分野では、ガイドラインにおける血管内治療の位置づけ、CHADS2スコアとCHADS2-Vascスコアの使い分けなど、日常的に脳卒中診療をやっていないと答えづらいところまで問われます。
最低でも脳卒中診療ガイドラインの内容を一通り確認しておきましょう。
パートBでは学会発表や論文投稿に用いた症例を選択すると思いますが、質問されて困る症例は出願時から外しましょう。
面接試験のパートAで聞かれたことをすべて紹介
・腱反射をとってください
・体幹筋のMMTをとってください
・右下垂手の人が外来に来ました。診察してください。筋力評価のポイントは何ですか?
・橈骨神経の近位部で障害が出た場合には、どの筋を評価しますか?
・大学でずっと研修していたようですが、脳卒中は診ていますか?
・NIHSSをとってください
・前頭葉障害の有無を確認するとき、どのような診察を行いますか?
実際に面接で聞かれていることなので非常に参考になりますね。
神経内科専門医試験の試験対策でやっておきたい教科書・問題集
試験対策でやっておきたい教科書や問題集を8冊紹介します。
①神経内科専門医試験問題 解答と解説(南江堂)
②神経内科ハンドブック 鑑別診断と治療(医学書院)
③ベッドサイドの神経の診かた(南山堂)
④神経内科疾患の画像診断
⑤臨床のための筋病理(日本医事新報社)
⑥カラーアトラス末梢神経の病理(中外医学社)
⑦Q&Aでひも解く高次脳機能障害(医歯薬出版)
⑧ISLSガイドブック 脳卒中の初期診療の標準化(へるす出版)
優先順位をつけると①②は必須。次に③④⑤⑥、余裕があれば⑦⑧となります。
①神経内科専門医試験問題 解答と解説(南江堂)
おそらく全受験生が持っています。
掲載されているどの問題でも即答えられるくらいまでやり込んでください。
②神経内科ハンドブック 鑑別診断と治療(医学書院)
神経内科領域の疾患に関して、臨床症状・診察所見・検査所見・鑑別診断などがコンパクトにまとまっていて見やすい。
試験対策の教科書として先輩医師からもよく勧められます。
③ベッドサイドの神経の診かた(南山堂)
昔からある診察のための教科書です。
通読する必要はないですが、第二次試験対策として診察に関する細かいところを確認するには非常に有用。
④神経内科疾患の画像診断(学研メディカル秀潤社)
神経内科に特化した画像診断の教科書であり、日常臨床にも役立ちます。
画像上の鑑別疾患もまとめられており、神経画像に関する本はこの1冊で十分です。
⑤臨床のための筋病理(日本医事新報社)
『神経内科ハンドブック』のみでは病理の勉強が不十分です。
筋病理の本はこの一択です。
埜中先生の著書ですが、学会が提供している筋病理セミナーの動画と合わせて、各筋疾患の病理所見の特徴をおさえておきましょう。
⑥カラーアトラス末梢神経の病理(中外医学社)
末梢神経病理の勉強はこれ1冊で十分です。
学会が提供している末梢神経病理セミナーの動画と合わせて本書で学習すると効果的です。
⑦Q&Aでひも解く高次脳機能障害(医歯薬出版)
各症候の原因となる脳の障害部位について見やすくまとまっています。
学会主催の高次脳機能障害レクチャーと合わせて使うと理解が深まります。
⑧ISLSガイドブック 脳卒中の初期診療の標準化(へるす出版)
ISLSコース受講者のためのガイドブックであり、私は参加したことがあります。
NIHSSをとる時のポイントが写真付きでわかりやすく解説されているので、第二次試験前に通読しましょう。
試験本番の準備も忘れずにしておきましょう
試験本番に備えて筆記用具の準備も忘れずにしておきましょう。
仕事ではボールペンばかりですが、試験では使えません。
持ってないという方はAmazonなどで↑のように試験用のセットが売っているのでそちらを購入すればOK。
当日になって会場近くのコンビニで買おうとしたら売り切れていた!というのはありがちです。
前もって用意しておきましょう。
実際の試験の感想と試験結果
第一次試験の必修問題で、最初からいきなり解答に迷うような難しい問題が連発しましたが、「自分がわからなければ周りもわからないはず」と落ち着かせることができました。
第一次試験合格通知が届くまでは不安でしたが、同期も私も全員1回で合格できました。
第二次試験でも、一部の質問には十分答えられませんでしたが、ヒントをもらって答えることができ、終始和やかに進みました。
同期の一人は質問に全く答えられず、どんどん質問が簡単になっていき、試験後に落ち込んでいましたが、結果的に私を含めて全員が合格しました。
1年かけてしっかり試験対策をやってきたという自負があったので、試験前にあまり不安はありませんでした。
皆さんも1年前を目安に対策を開始するようにしましょう。
病院などでの勤務と並行しながら勉強しないといけないのでかなり大変ですよね・・・。
暇なバイトを入れて、バイト中に勉強する手もありますね。
バイト時間中に時間を取りやすいものであれば、オンライン診療バイトや美容バイト、ED/AGAバイト、透析バイトなどがおすすめです。
医療トラブルや医療訴訟への不安は尽きませんよね。
万が一、訴訟に巻き込まれたら…
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- 患者さんへの誠意ある対応に集中できる
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