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【在宅診療ってどう?】常勤の在宅診療医に転職した医師が徹底解説!

在宅診療 医師
悩めるDr

在宅診療ってどうなんだろう?
転職しようか悩んでいる
在宅診療に転科しようかな・・・

この記事を読むと、上記の悩みや疑問が解決できます

在宅診療ってどういう働き方なのか気になりますよね。

ただ病院勤務だと具体的に何をするのかよく分かりません。

そこで訪問診療に転科/転職をして実際に働いておられる医師パパドクター先生に実際に話を伺いました。

Dr.ぜろえん

こんにちは。 【ゼロから始める医師生活】というブログやTwitterで医師のポイ活やバイト/転職情報などを発信しているぜろえん(zeroen_doctor) です。

今回の記事では『在宅診療ってどうなの?』という点にフォーカスして、実際に転科/転職されて在宅診療に従事されている医師パパドクター先生に記事を書いていただきました。

パパドクター先生には他では聞けない具体的な内容(在宅診療の仕事内容、在宅診療でのスケジュール、在宅診療の給与事情など)の情報提供をしていただきました。

特に在宅診療へ転職するか悩んでいる方の参考になるでしょう。

パパドクター

はじめまして、医師11年目の『パパドクター』です。

私の経歴を簡単に説明します。

・3次救急の市中病院で初期研修 2年 
・大学病院消化器内科後期研修  3年 
・2次救急の市中病院総合診療科 5年 
在宅診療クリニックに転職し、現在に至る

このように【消化器内科→総合診療科→在宅診療科】と2回転科をし、在宅診療に転職しました。

実際に常勤として在宅診療をしている経験が『在宅診療の道を考えている』方の役に立てると思います。

記事を読んで、在宅診療に転職しようと考えた方に向けて↓の記事でおすすめの医師求人サイトを紹介しています。

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在宅診療の具体的な仕事内容を3つあげる

在宅診療とは

在宅診療医の仕事は、主に3つあります。

①訪問診療
②往診
③医療・ケア方針の立案

①訪問診療について

1〜2週間に1回くらいの頻度で、計画的に患者さんを訪問して診療をします

癌や心不全の終末期、肺炎治療中など病状が不安定な状況では、週2回訪問することも。

必要に応じて採血、心電図検査、超音波検査、ポータブルレントゲン検査などができますし、ご家族や訪問看護師の協力を得ながら、脱水に対する点滴や、抗生剤の投与も行います。

訪問診療のバイトもあり、こちらの記事で紹介しています。

訪問診療バイトしたい医師は必見!仕事内容や応募前の注意点を徹底解説!

②往診について

突然の発熱、腹痛、転倒など、急な病状変化に対して訪問して診療をします。

訪問日程を計画的に決めている訪問診療とは異なり、往診の場合は患者さんの要請に基づいて不定期に行われます。

コロナ禍で夜間休日の往診サービスが普及しましたが、これらのサービスは往診であって訪問診療ではありません。

③医療・ケア方針の立案について

在宅診療では医師を中心に看護師、リハビリスタッフ、ケアマネージャーなど様々なスタッフが協力し合い、患者さんのための医療・ケア方針を考えます。

介護力や経済力、患者さんやご家族の気持ちなども考慮し、訪問介護やリハビリテーションが必要かどうか、訪問ヘルパーやデイサービスを利用するかどうか、自宅に手すりやポータブルトイレが必要かなどを考えます。

パパドクター

多職種で連携をとりながら医療・ケア方針を考えて患者さんの生活を組み立てるという仕事は、在宅診療の醍醐味の一つです。

ある在宅療養支援診療所の1日を紹介

訪問診療医の1日

在宅診療医が普段どのようなタイムスケジュールで仕事をしているかを具体的に紹介します。

悩めるDr

なるほど、在宅診療のスケジュール感はだいたい分かった。

残業はあったりするのかな・・・?

パパドクター

カンファレンスがずれこんで残業になることはあります。

私の場合は年俸制なので、残業代はありません。

病院と在宅診療の違い

病院と診療所

診療の場所がかわるとできる医療行為やその段取りも変わります。

病院と在宅診療の主な違いを3つお伝えします。

①検査がすぐできない
②薬がすぐ揃わない
③専門科にすぐコンサルトできない

①検査がすぐできない

患者さんの自宅や施設で診療をしますが、病院のように検査機器は揃っていません

採血、心電図、超音波検査、ポータブルレントゲン検査などを行うことは可能ですが、検査機器を持参する必要があります。

病院のようにすぐ検査に頼ることができないので、『症状や経過をしっかり聴取して丁寧に身体診察する』という診療の基本がとても重要です

Dr.ぜろえん

患者さんを目の前にしてから検査内容を考えるのではありません。

これまでの病歴や病状の変化をあらかじめ把握した上で、必要と思われる検査機器を準備しておく『先読み能力』が大切です。

②薬がすぐにそろわない

内服薬、注射、点滴は診療の現場に揃っていません。

必要に応じて診療所から持参したり、処方したりする必要があります。

薬によっては薬局に在庫がなく、患者さんの手元に届くまで数日を要することもあります。

パパドクター

・使用頻度が高い薬剤はあらかじめ準備しておく
・点滴が必要そうなら往診車に積んでから向かう
・医療用麻薬が必要になりそうな場合は早めに処方しておく

・・・などの対応が重要です。

③専門科にすぐコンサルトすることができない

病院では色々な診療科があるので、他科の医師に相談しやすい環境と言えます。

在宅診療では通院すること自体が困難な患者さんが多く、気軽に患者さんを病院に紹介できません

そのため、専門外の病気であっても学びながら対応していくことが求められます

もちろん自分だけで疑問や問題を抱えることはせず、診療所の他の医師や友人医師に相談したり、医師間診療支援アプリなどを利用して積極的に学ぶ姿勢が重要です。

悩めるDr

具体的にどういうアプリがあるの?

パパドクター

Antaa、ヒポクラ x マイナビなどのアプリで、個人情報をふせて専門医へ相談します。

アプリではありませんが、m3.comにも専門医へ相談できるコンテンツがありますよ。

在宅診療に必要な資格や手技などはある?

在宅診療の資格・手技

在宅診療の求人募集は『診療科不問』のことが多く、どの診療科の医師でも働くことができます。

高度で専門的な能力や手技を求められるというものではなく、基本的な診療能力があれば問題ありません

処置というなら・・・

・尿カテーテル交換
・胃瘻チューブ交換
・気管カニューレ交換

などありますが、働きながら学べます。

一部専門的な処置もありますが、そうした処置は専門診療科出身の医師が担当することが多く、リスクのある処置を強要されることはまずありません

悩めるDr

最初からなんでもできる必要はないってことよね・・・。

パパドクター

自分の専門外のことであっても、広く学び続ける姿勢が大事でね。

在宅診療では、内科・外科問わず色々なバックグラウンドのある医師が働いています。

だからこそ、それぞれの医師の強みを持ち寄って患者さんのために真剣に医療を行うことができますし、どの診療科の医師であっても活躍できる場所は必ずあります。

在宅診療医の年収や待遇はとてもいい

在宅診療の収入

医師向け転職情報サイト「Dr.転職なび」によると、在宅診療科の平均年収(下限値)は1552.9万円(2022年8月時点)とのことです。これは対象とした33の診療科で最も高い値です。

同じデータで内科の平均年収(下限値)は1340.7万円ですから、在宅診療科は給与面でとても恵まれています

これらの数値は転職サイトに提示された年収の下限値の平均であり、より高額な給与を目指すことは可能です

逆に『収入よりもワークライフバランスを大切にしたい』『育児や介護があるのでオンコールはできない』などで、医師の希望によって働き方を柔軟に選べる診療所もあります。

パパドクター

コール当番の回数、出動手当の有無、運転スタッフの有無などで金額は変化しますが、在宅診療では年収2000万円以上の勤務医も珍しくはありません。

Dr.ぜろえん

個人のライフスタイルに合わせた働き方を選べる点も、在宅診療の大きなメリットですね。

パパドクター

ちなみに私の転職についての経験も記事にしています。

転科もしているので、進路に悩んでいる方は参考にしてください。

【転科ってどう?】転科を2回経験済みの医師がリアル体験談を紹介!

在宅診療に向いている人、向いていない人

自分の専門にこだわらず広く学ぶ姿勢がある人

⇨在宅診療に向いています

自分がしたい医療をするよりも患者さんから求められる医療に柔軟に対応する気概のある人も在宅診療に向いています。

患者さん一人一人に寄り添い、患者さんの価値観を尊重した医療を提供することが重要。

パパドクター

例えば、重症COPDであっても1本のタバコに幸せを感じる患者さんもいれば、インスリン注射は絶対嫌だと拒否する糖尿病患者さんもいる。

そのような患者さんを見捨てるのではなく、患者さんの気持ちを尊重し、どのような医療・ケアをしていくのか、患者さんやご家族と共に考えていくことが大切ですね。

自分の専門に固執する人
家族やスタッフとのコミュニケーションをおざなりにする人

⇨在宅診療に向いていません

専門外だからといって他の医師に丸投げすることは、在宅診療医としての責任放棄になります。

在宅診療は家族やメディカルスタッフの協力がなくては成り立ちません。

Dr.ぜろえん

患者さんのために多くの人々が連携するからこそ、患者さんが満足できる医療を提供できるんだね。

在宅診療にまつわる疑問をQ&A形式で答えます

オンライン診療バイト 疑問 質問

在宅診療へ転職しようか悩んでいるけど勇気が出ないという方に向けて、パパドクターに仕事前に持つ疑問をQ&A方式で答えてもらいました。

Dr.ぜろえん

パパドクター先生に訪問診療についての疑問を色々ぶつけました。

パパドクター

私が答えました。

実際に訪問診療に従事しているのできっと参考になります。

在宅診療は夜間・休日往診のイメージがあるのですが、大変ですか?

夜間・休日の往診なしオンコールなしを条件に募集している医療機関も多くあります。

『日中は常勤医、夜間・休日は非常勤医が対応』と役割分担を明確にしている診療所や、時短勤務、週3〜4日勤務など、勤務医一人一人の希望に合わせた条件で契約ができる診療所もあります。

いわゆる主治医制になるのでしょうか?

私のところは主治医制です。

ただし、夜間・休日・外勤日や、日中に往診依頼があってもすぐに対応できない場合は、他の医師が往診します。

『完全主治医制』を売りにしている診療所もありますし、複数の医師で診る『グループ診療』を売りにしている診療所もあります。

当番はバイト医師でしょうか?常勤医が担当する場合は報酬などはどうなっていますか?

常勤医は毎週平日夜1日、月1回土日当番をしています。出動時は日中1件5000円夜間1件1万円の手当がついています。

常勤医で埋められないところは、定期の非常勤医師が担当します。

訪問の隙間をぬって往診するのですか?

はい。

必ずしも主治医が往診するわけではなく、手が空いている医師、患者さんの自宅に近い場所にいる医師が対応することも多いです。

当番の頻度は勤め先によってかなり変わりますか?

はい。

完全主治医制を売りにしているところは、基本的に主治医が1st callを受けるシステムになっているようです。

『当番なし』でQOLを重視しているところもありますよ。

在宅診療クリニックの常勤医師はおよそ何名おられるでしょうか?

もちろん規模によって異なります。

令和元年度東京都医療機能実態調査(在宅医療機能に係る実態調査)結果報告書より抜粋します。

・訪問診療を実施している病院のうち、訪問診療を担当する常勤医師の人数は、1人(42.5%)が最も多く、平均では2.4人となっている。
・在宅療養支援病院の種別でみると「機能強化型在宅療養支援病院(単独型)」は4.7人と他より平均2人程度多い。

在宅診療の医師が襲われた事件がありました。そのような危険性についてはどう考えていますか?

自分が身の危険を感じたことはありませんが、患者さんのホームグラウンドに単独で入ることのリスクはあります。

ただし、定期往診する患者さんの場合、事前面談を行いますので、リスクの評価や情報の共有が診察前にできます

よっぽどのことがなければ危険な状況にはなりません。

コロナ禍で医師会や行政から発熱患者への往診を求められることがありましたが、当院では原則室内に入らず、玄関先で対応をしました。

発熱患者への往診の場合、事前に情報がほぼなく、どのような人が待っているのかわからないためです。

転科・転職先を探すときに使いたい求人サイトはこちら

転科する際の病院探しをするためには求人サイトの利用が必須です。

求人サイトの選び方としては特に常勤探し、つまり転職では自分の個人情報を多く出すことになるので求人サイト・企業への信頼性は重要なポイント

できれば信頼できる大手求人サイトのエージェント(サイトによってはコンシェルジュという名称)に相談して、非公開求人まで含めて自分の条件にあった案件を探してもらいます。

いくつかのサイトにも登録して案件ごとの比較をしっかりするべき

Dr.ぜろえん

常勤を探すときに使いたい大手医師求人サイトの一覧です。サイト評判のいいところを5つ厳選しました。

できれば複数サイトに登録していろんな条件の案件に目を通しておきましょう。

今病院を探していない方も相場観を養う上で事前に登録してどんなものか見ておきましょう。

サイトの選び方としては、信頼できる大手求人サイトというのがポイントになります。

転職情報が充実している医師転職ドットコム、会員特典が嬉しい民間医局、非公開求人の割合が高いマイナビDOCTORなどは特におすすめです。

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